わさびまる’s diary

わさびまるが主にライブの感想を語るための場です。

この胸の高まりはこじつけじゃないのだ〜朗読イベント 「世界はこじつけでできている」感想〜

 どうも、わさびまるです。朗読イベント
「世界はこじつけでできている」、大満足でした!

 走れ君のようなオムニバスなストーリーとそこに曲を乗せて完成させるスタイルを想像していた私にとって今回のイベントは終始衝撃続きでした。

 というわけで語りたい方も多いので今回も早速書き始めたいと思います。よろしくお願いします!

(朗読劇ということもあっていつもより個人解釈マシマシなので一個人の感想として楽しんでください笑)

会場

 会場に入ってまず目についたのはソファ、ホワイトボード、ローテーブルのいかにも「部室」な空間とでっけぇグランドピアノ!部室セットにはこれから動きのある朗読劇が始まるのだと改めて実感してワクワクしたし、イマジュンさん×グランドピアノの間違いない感に期待しっぱなしでした!(実際期待を優に超えたのは言うまでもない)

導入〜おもいでしりとり

 まずはAkkyさんのバリオシャな曲と共にオープニング映像が流れ、主人公とその内面が登場。ここで特筆すべきは何と言ってもおもいでしりとりですね。すこしゆったりとしたテンポでピアノイントロが入り、ステージ上の主人公にスポットライトが当たる。そしてソロで歌い始めた一節目が「いつもの何気ない"が続いた通学路"」。昼初めてこれを聴いた時はやってんなぁという感情と、この後もどう変わっていくんだろうと言うワクワクのふたつの感情が湧いていました。この既存の曲をただ朗読の合間に乗せるだけではなく、脚本を利用して今回の物語用に改変するのマジの鳥肌もんでした。

こじつけ部の部活動〜花咲く僕らのアンサーを

 部長の中二病独壇場から始まった部活動パート。矢継ぎ早に披露される中二病っぽいポーズと一人語り。それに気怠そうに突っ込むアコ、ビスコとタマゴボーロ食べてるぴえみ、宿題(三日前くらいのもの)をやってる海里。そしてそこから始まるこじつけ部の活動。わかりやすく個性的でかわいい日常が描かれていて主要キャラの立ち位置をすぐに理解できました。そしてそんな理解しやすい細かい描写とDIALOGUE+ネタを入れ込んだ脚本でさすが屋久ユウキ先生だとなりました。

 花咲くもまた歌詞が変わっていて「最小公倍数」になってちょっとポジティブな内容でこじつけ部の「真実よりも面白く」という感じが出ていてまた違う印象が持てて面白かったです。

 そして両部とも主人公と内面のコンビの表情が明るくなくてキャラクターが憑依しているのが朗読劇らしくて楽しくなりました。

回想〜後輩視点・音楽室の謎〜Domestic Force!!

 教師役二人の回想から主人公の葛藤が描かれた回想シーン。両部とも教師組の大人びた話しぶりに年齢を感じて演技ってすげーってなったり、アコが入部を決めたシーンで昼の部のやかんの無邪気な感じのゲットだ!と夜の部のうーなのじわーっと嬉しさが現れてゲットだと言った後にセリフのない部分で嬉しさを爆発させていたこの時間差の対比が演者によって違うんだなという面白さを感じてよかったです。

 その後の古びた音楽室に潜入する後輩のシーンはかわいい後輩感が所々に出ていてすごく思い出深いです。楽しかった思い出を回想する弾むような声と動きからドアを開ける前に一瞬息を飲むような間の置き方、その後意外と勢いよくドアを開けちゃう感じが学生らしく、でも慎重に入っていくような動きが見ている方のドキドキを増幅させる。後半の転の展開に向かっての盛り上がりはここの演技があったからかなと勝手に思っています。

 そしてこの謎のこじつけのシーン。ここで震えたのが物語が不穏な空気になってきたタイミングで浩之さんのバスドラムの音が不気味に響いたことで、ドメフォが確定したところです。平穏を壊す音楽として使われるドメフォがこんなにも不穏な空気を作り出せるのかと鳥肌立ちっぱなしでしたし、劇中の音楽の使われ方の一つの完成形を見たような気持ちになりました。

謎の調査〜Sinsere Grace

 各キャラクターの調査シーンはキャラの個性が溢れていたなぁと思っています。

 海里先輩とぴえみの少し気怠そうに新聞を読み込む(スポットが当たってないタイミングでも台本を新聞に見立てる演技がすごく良かったです)感じとか、部長の独自におそれを知らず突っ走る感じとか、アコのめんどくさがって帰るも、教頭との会話のなか日々の繰り返しと思っている自分を打破するために悩みながら物事の捉え方を探していくという過程での微妙な心境の変化が見える感じとかキャラクターの個性とそれを見せるみんなの演技がすごく面白かった印象です。

 そしてそれぞれのシーンの立ち位置もまた興味深くて、私のなんとなくの感想として、先輩後輩の調査シーンは死傷事件という一つのこじつけの真実味を増していくためのもので、部長の調査シーンはまだ謎の余地を残していくためのもので、アコのシーンは事件の新たなこじつけへの伏線と最終的なメッセージへの伏線が詰まっているなというような印象を持ちました。この切り替わっていくシーンの意味を自分の中で噛み砕いてこじつけていく感じがミステリーとして純粋に楽しんでいるなという感覚になりました。

解決〜エピローグ

 話の結の部分としてはとても素敵な終わり方だったなと思っています。ミズ先生と部長のシーンは物語の一つの解決編としてスッキリしたし、主人公のこじつけは教頭と話した過去のこじつけ部とのつながりもあり、これまでの心境との変化を短い台詞で丁寧に描かれているようにも感じてエモかったなあと思います。

 そして途中までプロローグと同じ内容を全員で順繰り語りながら繰り返しの中でも、みんなでこじつけて楽しい毎日に変えていく。こじつけ部のみんなはこれからも日常を面白く過ごしていくんだという想像がふくらんでいい最後だったかなと思います。

新曲:1000万回ハグなんだ

 物語のラストとカーテンコールで二度披露された今回の公演のテーマソング。歌詞も音楽もキャッチーで自然に体が動き出す楽しい歌でしたね!

 そしてテーマソングということもあり、「それ、採用!」の決め台詞が入っていたのがキャラソン感があって印象深かったですね。

 そして大学で数学を学んだ私としては個人的に「逆も同じである 裏も自明である 対偶も真理である」という歌詞が何はなくともぶっ刺さりました。「謎(命題)」があってその謎をおもしろくという角度から見て、真実と同じで自明に真理であると「こじつけ」るという今回の朗読内容ともマッチしていて気持ちが高まりました!

メンバー語り昼の部

主人公

 日々をいつも通りでつまらないと思っている学生だった主人公アコ。ねーねのダウナー感のある声のトーンや伏し目がちな演技があったからこそ最初から最後まで主人公の人間性に深く入り込めたのかなぁと思っています。

 終始暗い表情で伏し目がちながらラストシーンでは自信がなさそうな声を出しながらも真っ直ぐ前を向いて自分のこじつけを披露しているシーンには感動しましたし、ちょっと低めな声の出し方やソファに深くゆったりと腰掛ける感じはまさに今回の主人公を体現していて、ねーねの演技はやっぱりキャラがわかりやすくて感情移入しやすくて好きだなぁと思いました。

部長

 常に明るく時に核心に迫る中二病キャラの部長。やかんのダイナミックな動きと大きく通る声、そしてちょっと低くすると途端にカッコ良くなるところにハマっていて、すごーく良かったです。

 やかんは本当に決めどころの立ち姿が美しくて、セリフの終わりに挟まれる中二病ポーズがキリッとかっこよかったです!あとホワイトボードを手のひらで叩いて必死に訴えかける姿はなんだかかわいかったです。

部員

 お調子者で明るい部員、海里先輩。

 こういう役をまなてぃにやらせたら最強ですね。終始表情だけでどんな気持ちなのか分かるくらい表情豊かで、底抜けに明るい声も相まっていて、しかもそこに可愛さまで見せてくるときた。はいもう天才天才。

 まなてぃは声のトーンと大きなポージングによる明るい雰囲気の作り方が本当にうまくて、いつ見てもニコニコ笑っていたのが印象的でした!

後輩

 明るいタイプのかわいい後輩、その名はぴえみ。なにそれ可愛すぎかよ。そしてそのぴえみのキャラクターはきょんちゃんのぴょこぴょこ変わっていく動きといつもよりも少しだけ甘めに聞こえる声の出し方、後輩らしい上目遣いっぽい目線の配り方が何倍にも輝きを増幅させていたように感じました。

 そして古びた音楽室に入るシーンでは勇気を出したように聞こえる息を呑んでちょっと震えた声が没入感を与えてくれて、私も一緒にドキドキさせられました。

 つまり、ぴえみしか勝たん。

主人公内面

 主人公の後ろ向きな心の内を表すこの役。まゆゆんの影を落としたような演技はうまさと怖さで震えたし、鳥肌が立ちました。さらに言うと劇中歌唱ではどんな明るい曲でも一貫してクールで後ろ向きな表情をしていて、そのどんな時でも変わらないでいられる演技力にまた震えました。一方でラストシーンの私はもう必要ないのかという切ないような、でもちょっと希望を感じるようなセリフの言い方にはかなり心を動かされました。

顧問

 明るくもどこかクールなミズ先生。うーなの演技はどこか体育教師っぽい熱さも感じ、どこか謎を残すような落ち着きも感じて、すごく先生らしかったし、なんか理想の先生像を見ているような感覚になりました。そして屋上のシーンの落ち着いたトーンとミステリアスな立ち振る舞いはいつものかわいいうーなとのギャップでやられてしまいました...

教頭

 大人びた雰囲気を持つ教頭先生。さっぴの落ち着きのある大人ボイスを聴いた時は「美しい…」という感情で包まれたし、立ち姿がしゃなりしゃなりとしていて、そこにいたの正に大人のお姉様でした。ところどころの立ち姿でちょっと顎を上げて上から目線っぽくなるのが特にすごくドキドキしました。

夜の部メンバー語り 

主人公

 さっぴの主人公は無気力という言葉が一番似合う感じがしました。それくらい自然に、かついい意味で力の抜けた演技で、日々をいつも通りでつまらないと思っている今回の主人公らしい雰囲気が出ていたなと思います。

 あと、物語後半になるにつれて無気力無表情だったのが徐々に口元の微笑みや不安そうな顔が見られるようになって、いつも感情爆発型のさっぴは感情をコントロールするのも上手なのかと驚きっぱなしでした。

部長

 まさに圧倒的手数。一つのセリフに対して一区切りごとにその内容や感情に合った大きな動きを加える。まさに演劇を見ているようでした。

 あとうーなの何が良かったって自分のセリフがないタイミングでもずーっと役に入り込んでいたところで、確かにこのキャラならこのタイミングで主人公に突っかかりに行くだろうなぁとかこの納得したようにドヤ顔で頷くの確かにやりそうとか常に共感しながら見ることができたのが夜の部でシナリオを知っていてもワクワクできた一つの要因だったのかなと思っています。

 さらに言うと台本をあんまり見ていなかったのが本当にすごくて、演劇で磨き上げられた技術とこの覚えちゃうくらい台本を読み込んだんだろうなぁというのがうーなの人間力素敵すぎるし、この熱演を産んだのかなぁと思いました。

部員

 まゆゆんの海里はなんだかボーイッシュに感じました。まゆゆんらしい可愛さも顔を出していながら、大事なセリフはちょっと声を低くすることで引き立てる。演技として見せるべき部分を分かった上でクールに決めていたのが印象的でした。

後輩

 今回唯一配役の変わらなかった後輩ちゃんことぴえみ。飛田えみこみたいな名前から頭文字取ってあだ名っぽくしてぴえみなのかぴえんみたいな子だからぴえみなのかは気になるところですがそこは置いといて。

 2回目でも相手が変わることで新鮮さは変わらず、例えば、1回目の海里先輩役のまなてぃと2回目の海里先輩役のまゆゆんでは少し身長差があることもあり、目線が少し違って見え方も違ったり、2回目ともあって動きがより落ち着いていて、でもかわいくあって。そしてまゆゆんの演技に合わせて甘える感じから頼りにしている感じに聞こえるようになっていたり。こんな後輩いたら良かったなぁと思えるくらいには心奪われていました。

 何度でも言う。ぴえみしか勝たん。

主人公内面

 こんなにも無感情になれるまなてぃを見られたのは衝撃でもあり、新鮮でした。どんな曲を歌っている時でも広角を一つもあげず、目も陰鬱な雰囲気をひしひしと感じるくらいに虚ろで暗くて。正直、まなてぃでゾッとする日が来るとは思いませんでした。

顧問

 やかんの先生演技は落ち着き100%で、こんな国語の先生いたら良いなぁという感覚でした。かわいいとかっこいいはライブの時の歌声から得たことはあったけどおしとやかで美しいみたいなやかんは初めてだったので、とっても新鮮な気持ちでした。

教頭 

 ねーねの演技は教頭先生っぽいお年を召されたような少ししわがれた声と落ち着いたテンポでまさに大人の女性という雰囲気が出ていて、その重みのある演技に終始「声と佇まいで全然違う年齢層だって演じ分けられるのやっぱすごいな」と思わされ続けました。

 あと、髪を巻いて下ろしている感じも素敵な先生感があって最高でしたね...

まとめ

 というわけで今回も感想を書いていきました。いかがでしたでしょうか?朗読イベントに参加するのは初めてでしたが、とにかくみんなの演技に魅了され、ステージで展開される日常と非日常の狭間のようなストーリーに胸躍らせ、ワクワクで胸の鼓動が高まり続けたような最高の時間でした!昼と夜では同じ台本で演者が変わるのは同じ役へのそれぞれの解釈や演じ方の違いが所々に出ていて改めて声優さんって、演技って努力や読み分けによって個性が出るんだなあと実感し、改めて尊敬するきっかけになったかなと思っています。

 個人的には「今回の劇用にリライトされた歌詞は改めて見てみたいなぁ」っていうのと「やっぱり8人での朗読イベントも見たいなぁ」っていうのがわがままですが正直な思いです。

 とにかく、こんなに素敵な劇を演じてくれたDIALOGUE+のメンバー、素敵な脚本を書いてくださった屋久先生、不思議な魅力あふれる音楽で朗読を彩ってくださったAkkyさん、こんなにもワクワクドキドキのイベントを準備してくださったスタッフの皆さん全てに感謝です。本当にありがとうございました。これからもたくさん楽しみにしています!!

 ではでは〜!

(このブログのタイトルも毎回中二病っぽいくらい僕もその気はあるので部長のキャラはぶっ刺さりでした)